私は手芸品を作るときに、110円(※2020年10月現在)で購入することができて、色が豊富という理由から、100円ショップ「DAISO(ダイソー)」で販売されている刺しゅう糸セットを愛用しています。趣味で使う分には申し分ないのですが、作った手芸品を商品として販売することになった場合、材料に使う糸の素材感で商品の仕上がりにどのくらい違いがでるのかな。。と思い立ち、ダイソー、セリア、DMCでそれぞれ販売されている刺しゅう糸を「糸の光沢、編み心地、編地」という観点に絞って比較してみました。同時に、ダイソーで販売しているレース糸も追加で比較しています。糸の使用感などはあくまで個人的な感想になりますが、皆さまの作品作りの参考にしていただけたら嬉しいです。
1.比較した糸のご紹介
すべて2020年10月の時点で、私が糸を購入した価格(税込み)になります。
①ダイソーのレース糸「Lace Yarn」 110円
②ダイソーの刺繍糸「ダークカラー(12本入)」1束約8m 110円
③D・M・Cの刺繍糸「「25」796番」1束約8m 96円
④セリアの刺繍糸「「スタンダードカラー(2色入)」796番と996番」1束約8m 110円
ダイソーのレース糸「Lace Yarn」について
なるべく刺しゅう糸と同じ色の糸で比較をしたかったのですが、残念ながら同じ色が売り場に無かったので「ブルーグリーン」を購入しました。標準状態重量は約20g(約80m)です。1玉で直径約10㎝のコースターが4枚編めるそうです。
2.糸の比較
下記画像の、①がダイソー、②がDMC、③がセリア、④がレース糸になります。
1.ダイソーの刺繍糸について
110円という価格で長さ約8mの刺しゅう糸が12束も入っているので、豊富な色を使いたい場合のコストパフォーマンスは4つの中でNo.1だと思います。
刺繍をする糸として使う場合は糸をほぐしにくい所はあるかもしれませんが、かぎ針で編む場合は束になっていたので逆に編みやすかったです。
他の3つの糸と比較すると糸に光沢感が無いので、刺しゅう用の糸というよりは縫い糸に近い糸かもしれません。カラフルなポーチや巾着、ミニバッグなどを編む時におススメの糸です。
2.DMCの刺繍糸について
私は今回1束96円で購入しましたが、手芸屋さんのセールを利用したら、もう少し安く購入できます。今回比較した糸のなかでは、唯一購入するお店によって値段が前後する糸です。
糸の長さは1束約8mになります。やはり光沢感や糸のほぐれやすさはNo.1です。色の発色にも高級感が漂っています。あくまで刺繍用の糸であり、編む用の糸として作られてはいないので、かぎ針で編む場合はほぐれによる糸の拾い忘れにご注意ください。
色も豊富ですが、当然ながら大量に糸を使用する場合のコストパフォーマンスは一番良くないと思います。刺繍糸1束で編めるアクセサリーなどを作るときに使用すると、高見えアクセサリーになるのでおススメです。
3.セリアの刺繍糸について
1束約8mの糸が2束入っています。感覚的には、ダイソーの刺繍糸とDMCの刺繍糸を足して2で割ったような糸に感じました。光沢感もあり、糸もほぐれやすいです。DMCと並べて比較しなければ、十分高見えの手芸品になると思います。
唯一残念なのが、色の種類が少なかったことです。使用したい色がちょうどあったなら、コストパフォーマンスてきにはセリアの糸をおススメします。
2021年4月14日追記:
本日久しぶりにセリアの刺しゅう糸をチェックしたところ、色の種類が豊富になっていました!私は画像の「なでしこカラー」を購入したのですが、他にも記憶しているだけで「北欧カラー」「パステルカラー」などなど、テーマ別に色が分かれて売られていました。
もともとこのブログでご紹介しているセリアの刺しゅう糸は「エジプト綿使用」の「中国製」でしたが、今回購入した糸は「綿の産地は未記入」の「日本製」でした。糸に触った感じは、今回購入した糸のほうが細くて光沢が少ないかなと思いました。それでもダイソーの糸よりは光沢があるので、アクセサリーを編むときなどに使用すると良いかもしれません。糸が細いので、使用するかぎ針や糸の量が変わってくるかと思います。作品を作る前にゲージを編んでサイズを確認することをおススメします。
4.ダイソーのレース糸について
レース糸は約20g(約80m)なので、合計した糸の長さだけを見ると、ダイソー刺繍糸(約8m×12束=96m)のほうが長いです。編み用の糸だけあって、糸のほぐれはありません。当然ながら編みやすさNo.1です。糸の光沢感もあります。編地をDMCの糸と比較してもそれほど違いはありません。
色の種類もセリアの刺繍糸よりはありました。(2021年4月14日現在:セリアの刺しゅう糸も種類が増えていました)1色の糸で大きめな手芸品を編む場合は、レース糸をおススメします。
3.編地の比較
かぎ針3号を使い、作り目10目すべて「細編み」で10段編みました。
下記画像の、①がダイソー、②がセリア、③がDMC、④がレース糸になります。
編み終わり直後は編地がゆがんでいたので、スチームアイロンをかけました。
各編地の糸端を見ると、糸のほぐれ具合が分かりやすいかと思います。編地の光沢感も一目瞭然です。
結論としては、プレゼント用、バザー等への出品用など、用途や販売価格に合わせて糸を使い分けていくのが良いのかなと思います。
ちなみに。。例えば以下のミニポーチの場合
このポーチは刺繍糸を6束使用しています。各糸でこのポーチを編んだときの材料費(ファスナー代を含まない)は
①ダイソーの刺繍糸 55円 ②セリアの刺繍糸 330円 ③DMCの刺繍糸 576円 ④レース糸(1玉1色で編む場合) 66円 になります。
私はこのポーチを完成させるのに約2時間程かかりました。今の私が住んでいる地域の最低時給が861円、ファスナー代を37円、編み道具やサイト維持費の減価償却を仮に100円とすると、合計1,859円になります。各材料費にこれを加えたものが販売価格になるようなのですが、
①1,914円 ②2,189円 ③2,435円 ④1,925円
実際にこの価格でこのポーチを買おうとは私も思いません。。。普通に大きいバッグを購入できる価格ですよね。個人的にハンドメイドの商品って価格が高いなと思っていたのですが、時給を考えると当然の値段なのかもしれません。人件費おそるべし。。ちなみにこれはあくまで1例なので、実際に販売している方は短時間で作れて大きな作品に利益を上乗せし、時間がかかるけど小さな作品は利益率を下げるなど全体のバランスを取って販売しているようです。奥が深いです。。
オークションやフリマアプリなどで販売されている作品の値段を見ると、ハンドメイド作家さんの努力を感じて本当に尊敬する思いです。なかなか道は厳しい。
最後は愚痴のようになってしまって申し訳ありません(汗。
どなたかの参考にしていただけたら嬉しいです。