編み地コレクション第10作めは、「七宝編み(しっぽうあみ)」というかぎ針編みの技法を使った編み地をご紹介します。
「七宝編み」とは、長く伸ばした「鎖編み目」に「細編み」を編み入れることで、七宝模様を作り出す技法です。ちなみに「七宝模様」とは、同じ大きさの円を4分の1ずつ重ねて紡ぐ模様のことで、仏教では七宝(金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり)・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう)・しゃこ貝)を表すそうです。円満、調和、ご縁などの願いが込められた縁起の良い模様です。
編みあがりは「ネット編み」よりも伸び縮みしやすい編地になります。編地の伸び縮みを利用してネットバッグにしたり、布と組み合わせてポーチやがま口、ベストなどに仕立てても可愛いと思います。編み図と編み方をご紹介します。
1.編み図
「七宝編み」には作り目が無いので、最初から編み地を編む号数のかぎ針を使用します。
編み図のピンク色の編み記号が偶数段になります。鎖目を引き出す長さを同じ長さに出来るように意識して編むと、綺麗な七宝柄になります。
2.編み方
1.1段めの編み方
最初に「鎖編み」を1目編んだら、かぎ針にかかったループを長く引き出します。
今回は1つの編み目を1.5㎝位にしてみました。定規で毎回測るのは手間なので、ご自分の指の関節1つ分の長さにする等の目安を決めておくと、綺麗に編みやすいかと思います。
引き出した長さを保ったまま、針先に糸をかけてループを引き抜き、「鎖編み」を編みます。ゆるい編み目が出来ます。画像の→の箇所(黄色い線)が鎖目の裏山になります。
鎖目の裏山に針先を入れます。
針先に糸をかけて引き出します。
再び針先に糸をかけて、かぎ針にかかっている2つのループを引き抜き、「細編み」を1つ完成させます。続けて、かぎ針にかかったループを長く引き出します。
1つ目の模様と同じ長さになるように、糸を引き出してください。
引き出した糸の長さを保ったまま、「鎖編み」を編み、編んだ鎖目の裏山(画像の→の箇所(黄色い線))に針先を入れて、
糸を引き出します。
さらに糸をかけてループを引き抜き、「細編み」を編みます。「七宝編み目」が2つ編めました。
続けて、ループを長く引き出す→ゆるい「鎖編み」を編む→ゆるい「鎖編み」の裏山に針先を入れて「細編み」を編み入れる…を全部で6回繰り返し、1段めを編みます。
2.2段め以降の編み方
2段めの編みはじめは、1段めをそのまま続けて「七宝編み」を2目編んでください。
「七宝編み」を2目編んだら、1段めの2目めの「細編み」の頭(画像の黄色い線の箇所)に針先を入れ、「細編み」を編みます。
編み目模様が4つ合わさって、1つの「わ」になります。
続けて「七宝編み」を2目編みます。先ほどと同様に、1段めの2目めの「細編み」の頭(画像の黄色い線の箇所)に「細編み」を編み入れます。
2つめの「わ」が出来ました。
さらに「七宝編み」を2目編みます。2段めの編み終わりは、最初に編んだ「鎖編み目」の半目と裏山(画像の黄色い線の箇所)に針先を入れ、「細編み」を編み入れます。
全部で「七宝編み」の「わ」が3つ編めました。
3段めは「鎖編み」を4目編んだ後、かぎ針にかかっているループを長く引き出して「七宝編み」を1目編みます。2段めと「わ」が交互になるように、前段の「七宝編み」1目めの「細編み」に3段めの「細編み」を編み入れます。
続けて、「七宝編み」を2目を編んだら、前段の「細編み」2目めに編み入れる・・・を繰り返します。3段めの編み終わりは、かぎ針に2回糸をかけた後、1段めの「細編み」の頭(画像の黄色い線の箇所)に針先を入れ
「長々編み」を編み入れます。
4段めは立ち上がりの「鎖目」は必要ありません。前段の「長々編み」から続けて、「七宝編み」を編んでください。そのまま編み図のとおりに編むと「七宝編み」の編み地完成です。
「七宝編み」は、丸い模様がとても可愛い編み地になるので、個人的にお気に入りの編み方の1つです♪麻などの固い糸で編むと、より形がしっかりと浮き出てきます。皆さまもぜひ編んでみてください。
読んでいただいてありがとうございました。どなたかの参考にしていただけたら嬉しいです。